昭和30年を生きた世代にとってはたしかにああいう時代はあって、みんなあんなふうに生きていた。どこにも違和感がないのにすっかり時代が変わってしまって街にも人にも時代にもその面影がないなんてどういうことなんだろう。
みんなおせっかいが当たり前だった。優しくて、うっとおしくて。鈴木さんもいた。お母さんもいた。六ちゃんもいた。子どもたちもいた。茶川さんもいた。町内会の連中もいた。ベティもいた。みんなどこへ行ってしまったのだろう。
そして茶川さんやヒロミの心情に泣き、子どもたちのいじらししさに泣き、単純な人の良さに泣いてしまう。
主役は堤真一ではなく吉岡秀隆だったんだ、薬師丸ひろ子はほんとにいいお母さん役になってしまったな、堀北真希はこの役の演技がピカイチだななんて思いながら。
あの時代は良かった。戻りたい。確かに。
だけどそう思いながら今を生きるもんだよと思う。
きっとまた今日という日を懐かしむに違いないから。
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