ミシンをかけながら見るので気楽なコメディ思って借りてきたもの。よき時代のよき映画。よき映画のよき時代。双方がしっくりマッチした時代の映画のよさが楽しめた。
特にヘンリーのおじいさん役が絶妙。マーサの両親といい、その召使といい日本人も昨今随分薄っぺらになってきたなと感じさせられるが、アメリカも一時代前は人々もおおらかで深みがあったんだ。
ストーリーは単純だけど随所に質のいい笑いがあってすごく好きな映画のひとつになりそう。
<ストーリー>
「僕は女性を泣かせてばかりだったから、当然地獄に決まってます。」―老紳士ヘンリーはあの世の入り口で地獄行き審査官、閻魔大王にそう告白し、審判を仰ぐ。興味を持った閻魔大王は、ヘンリーの70年余りの"女性遍歴"を聞いてみようと気まぐれを起こす。フラッシュバックで語られる人生と女たち・・・。回想が終わり、いよいよ判決のときがくる…。
<ポイント>
●そのシャレた感覚と洗練された語り口による独特のコメディ・スタイル"ルビッチ・タッチ"がワイルダー、トリュフォー、小津安二郎など、数多くの監督に影響を与え、同時期に活躍していたチャップリンもそのユーモアと気品溢れる作品を讃えたハリウッド全盛期の巨人、エルンスト・ルビッチ監督による傑作ルビッチ唯一のカラー作品。
●戦争によって公開されることのなかったこの幻の名作は製作後47年経った'90年に映画公開され、長年のルビッチファン&若い世代の間で大ヒットを記録した。
●優しい微笑とともに涙なくしては見られない美しい大人のおとぎ話。
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ロマンチックコメディの天才、エルンスト・ルビッチ監督、唯一のカラー作品。後に作られた同じ原題の『天国から来たチャンピオン』とは、基本設定が似ているだけで別の物語である。年老いて死んだヘンリーが、閻魔大王の前で人生を回想。少年時代から、最愛の妻となるマーサとの出会い、彼女が亡くなった後も他の女性に夢中になってしまう晩年などが、軽快に描かれていく。ルビッチ作品にしてはストレートな展開の部類で、多くの人にとって親しみやすいはずだ。
若き日の本屋のシーンに登場する「夫を幸福にする方法」という本が、後半、思わぬ場面で再登場するなど、小道具の使い方が心憎いばかり。基本的には、ヘンリーは幸福だったという人生賛歌で、ラスト、さらにうれしい幕切れが用意されている。現代の映画では絶対に味わえないような甘々な展開。しかし、映画というものが観る人を幸せにするという、ハリウッドの良き時代の原則にどっぷりと浸らせてくれることは間違いない。ヘンリー役のドン・アメチーは、『コクーン』などで年を経てから再び注目された俳優。ここでは軽妙洒脱でいながらハンサムな男っぷりを発揮し、輝くような美しさのジーン・ティアニーと名コンビだ。(斉藤博昭)